メインメニュー
PR
facebook
別フォーラムへ

ありふれた祈り Ordinary Grace by ウィリアム・ケント・クルーガー(訳:宇佐川晶子)


投稿ツリー


前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/1/18 12:54 | 最終変更
Hero  常連   投稿数: 397
 1961年の夏,ぼくはミネソタの田舎町ニューブレーメンに家族で住んでいた。両親と姉・弟の五人家族で,父親はこの街で牧師をしており,ぼくたちは穏やかで幸せな暮らしをしていた。ところが,その夏起きたいくつかの死が,13歳だったぼくをはじめ,家族の生活を一変させたのだった。
 最初の死はまだ幼い少年だったボビー・コール。彼は鉄道線路の上で,機関車と衝突し,ばらばらになってしまったのだった。そして,次々に死がもたらされる。ぼくを完全に打ちのめす死も。
 やはり,男の子にとって父親は重要で,常に父親の背中を見て成長する。牧師の父親ネイサンは穏やかではあるが,正しいと思ったことには決して屈しない。静かではあるが熱いものを内に秘めた人だ。
 母親ルースは音楽や小説に造詣が深い芸術家タイプ。彼女の元婚約者だが,彼女をおいて世界に飛び立ち,戦争で負傷して失意のどん底で帰ってきたエミール・ブラントは耳の聞こえない妹のリーゼと暮らしている。今ではルースとは親密な友達である。
 ネイサンの戦友であるガスはネイサンを頼ってきて,色々と細かい仕事を請け負っている。ぼくたちは彼が好きで,相談をもちかける一人でもある。
 弟は吃音で,周囲からバカにされることも多い。しかし,時に鋭い指摘をするのは観察力が素晴らしいのだろう。
 こういった周囲の人々とぼくのかかわりが,いくつかの死を伴って描かれる。そして,ぼくはその時大きく成長するのだった。

 まさにアメリカの青春小説。ミネソタの田舎町の雰囲気が存分に伝わってくる。そして,先住民族であるインディアンに対する思い。特に,保守的な田舎では複雑なのだろう。
 象徴的なのは,鉄道が川を渡るところにかかっている構脚橋である。映画「スタンド・バイ・ミー」でも重要な役割をした鉄道橋は,本作でも強烈な印象を残す。
投票数:0 平均点:0.00
返信する

このトピックに投稿する

題名
ハンドル
投稿本文
  条件検索へ


ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失  |新規登録
PR
twitter
Created by: twitter website widget