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エディに別れを告げて En Finir avec Eddy Bellegueule by エデゥアール・ルイ(訳:高橋啓)


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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/5/29 12:21
Hero  常連   投稿数: 397
 北フランスの工場地帯の町ピカルディに少年エディは暮らしている。そこは保守的な町だ。男たちが全てを支配しているような町。もちろん,他と違っている人々は虐げられ,笑われる存在だ。エディは幼い頃から女の子と遊ぶのが好き。仕草もなよなよしていて,女っぽい。周りは彼のことをホモ (pédé) だと囃し立てたりする。エディは自分でも自分が好きではない。何故自分はこうなんだろう?何故,男らしくふるまえないのか?周りに合わせようと,無理に男っぽくしたりもするが,どうもしっくりこない。でも,いじめられないようにするには,そうするしかない。そんな彼の日常が心の懊悩と共に記述されていく。

 弱冠21歳の小説デビュー作である。自分の内面をこれでもかこれでもかと分析していく,いかにもフランス的な小説だと言えるだろう。21 世紀が近い時代のフランスの町である。当然ながら偏見や差別などない自由な雰囲気に満ちているのだろうと私はなんとなく考えていたが,それは全く誤りだということがわかる。実に保守的!だから,ホモっぽいというだけで差別の対象となってしまう。両親ですらそうだ。そんな妙な仕草はするな!もっと男っぽくしろ!特に父親はすぐに暴力を振るう。それが父親の役目だから,暴力を振るっても当然なのだ。どこの家の男たちも荒っぽく暴力的であることが普通なのだ。それでも,家族愛は十分にあるらしい。家長の自分が家族たちを愛しているというのは,彼が発する言葉尻だけのことではないように思われる。そんな保守的な町でエディは育っていく。周りと違うことに苛立ち,困惑しながら。それを直そうと無理に自分を変えようとさえする。しかし,結局自分の奥底にあるものからは逃れられない。そして,町から逃げたいと思うようになる。最後に彼は名門高校へ入学することになる。そこには自分と同じようになよなよした同級生ばかりがいる。ブルジョアってなよなよしているもんだったんだ。彼はそこで安心するのだ。
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