獣の記憶 Wolfzeit by ニーナ・ブラジョーン(訳:遠山明子)
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獣の記憶 Wolfzeit by ニーナ・ブラジョーン(訳:遠山明子) (Hero, 2016/1/13 17:07)
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投稿日時 2016/1/13 17:07
Hero
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18世紀の半ばを過ぎた頃,フランスのジェヴォーダン地方では,獣によるであろう死体が次々に見つかっていた。犠牲者のほとんどが若い女性や子供であった。その獣は狼だとも言われるし,そうではない謎の野獣であるとも言われていた。獣の正体に興味を抱いた若き学生トマは,野獣討伐の一行に加わり,ヴェルサイユからはるばるジェヴォーダン地方へ向かう。その領主の城でトマは野獣に襲われた少女に出会う。それは彼にとって運命の出会いだった。
実際に18世紀半ばに起きたジェヴォーダンの獣事件を下敷きに,史実とフィクションを上手く織り交ぜながら,女性作者らしいゴシックラブロマンスを見事に書き上げている。しかも,ちゃあんとミステリとしても十分通用する内容になっているのには驚かされる。文庫で500ページを超える大作でありながら,メリハリの効いたストーリー展開は読み手を全く飽きさせない。ラストの盛り上げ方も文句がない。作者のニーナ・ブラジョーンはミステリは本作が初めてだが,ダークがかったファンタジーがお得意の作家らしい。そういったファンタジーも是非日本で出版してほしいものだ。
実際に18世紀半ばに起きたジェヴォーダンの獣事件を下敷きに,史実とフィクションを上手く織り交ぜながら,女性作者らしいゴシックラブロマンスを見事に書き上げている。しかも,ちゃあんとミステリとしても十分通用する内容になっているのには驚かされる。文庫で500ページを超える大作でありながら,メリハリの効いたストーリー展開は読み手を全く飽きさせない。ラストの盛り上げ方も文句がない。作者のニーナ・ブラジョーンはミステリは本作が初めてだが,ダークがかったファンタジーがお得意の作家らしい。そういったファンタジーも是非日本で出版してほしいものだ。
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