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ジェイコブを守るため Defending Jacob by ウィリアム・ランデイ(訳:東野さやか)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/10/27 20:35 | 最終変更
Hero  常連   投稿数: 397
 ニュートンで子供が殺されるという事件が起き,地区検事補のアンディ・バーバーが担当することになった。この町は子育てに適した場所と言われている。安全な町のはずだ。一刻も早く解決したいが,なかなか解決の糸口がつかめない。ところが,事態は思わぬ方向へ動く。アンディの息子であり,殺された少年と同級生だったジェイコブが逮捕されてしまったのだ。確かに,いくつかの状況証拠はある。しかし,親としては息子が殺人を犯したとは思えるはずがない。だからできるだけのことをしてやろう。有能な弁護士も雇ってやろう。ここでマズイ情報が検事側に伝わってしまう。実はアンディの父,祖父,曽祖父には殺人の経歴があったのだ。殺人遺伝子を持つ血筋だと検察は述べてくるだろう。そして,裁判が始まるのだが…。
 本作は家族の物語であり,血脈の問題でもある。父親はあくまでも息子を信じ続ける。しかし,母親はアンディの血筋の件もあって,息子に対して疑惑を持つようになっていく。そのため,家族は地域で孤立した上に,家族内にも不穏な空気が流れるようになってしまう。その経緯がじっくりと描かれていて非常に面白い。また,家族に対しては,いないと言っていたアンディの父親は今も収監中であり,もはやシャバに出ることはできないことが明かされる。アンディとその父親ビリーとの確執も十分描かれていて,ビリーが孫を思う気持ちが裁判に大きな影響を与える。そして裁判はある結末を迎えるのだが,その後に更に驚愕の物語が語られる。この部分が本作がミステリとしての出来を一気に高めていると言っていいだろう。
 ウィリアム・ランデイは元地区検事補。ゆえに,随所に挟まれる法廷シーンのリアリティは保障されている。facebook が実に上手く使われているのにも感心させられる。
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